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2004.06.29

Winnyについて考える

私はWinnyは使っていないんだけど、「ソフトウェア開発と法的責任」という面から色々議論されているようなので、ちょうどWinny問題を考える学会ワークショップが開催されたという事でニュースサイトなどにもネタが転がっていたので(^^;書いてみる。
と言っても、あちこちのニュースサイトから引っ張ってくるのも面倒なので(^^;リンク先はITmediaだけ

まず一番違和感を覚えたのは「著作権が技術の将来を決めていいのか?」という記事にある岡村弁護士の

「新しい技術は、先人の業績の上に乗って伸びるもの。著作権という小さな枠組みだけで技術を規制していいのだろうかと疑問だ」
という言。

前半の「新しい技術は、先人の業績の上に乗って伸びるもの。」というのは正しいだろう。
だけど、Winnyで問題となっているのは、そのWinnyを作り上げた技術に対して著作権侵害があったという事ではなく、その技術の上で流通しているコンテンツが著作権を侵害しているという事でしょ?
それに規制されているのは「技術」ではなく、コンテンツや、その「技術」の成果を提供する時の様態が問題とされているのではないだろうか。
いわゆる詭弁のガイドラインの「一見関係ありそうで関係ない話を始める」というヤツ

他にもこの岡村弁護士の言には詭弁のガイドラインにぴったりのものが散見される。
たとえば最初の方にある「ベータマックス訴訟で、ビデオデッキが違法という判決が出ていたらどうなっていたか」なんてのは「事実に対して仮定を持ち出す」だし、「著作権という小さな枠組みだけで」という「小さな」というのは「主観で決め付ける」だし、全体を通して「新しい概念が全て正しいのだとミスリードする」傾向にある。

別の記事で「Winnyの否定は、IT立国自体の否定」という方も、さすがWinny弁護団事務局長の言だけあって詭弁のてんこ盛り。

たとえば、ド頭の「Winny開発者逮捕は、国策であるP2P技術の進歩を止めてしまい、経済・産業分野にまで悪影響が出る」なんてのは「主観で決め付ける」あるいは「自分に有利な将来像を予想する」そのもの。
ってかいつの間にP2P技術は国策になりましたか?
次に出てくる「現在のP2P技術はセキュリティ・品質面で問題があるとしている。この問題をクリアできるのがWinnyだ」なんてのも別記事「Winnyの暗号化は「金庫に鍵をかけ、金庫の上に鍵を置くのと同じ」」というので速攻で全然クリアされてないと言われてる「資料を示さず自論が支持されていると思わせる」だし。
「Winnyが課金システムを装備すれば、産業革命をもたらす可能性すら秘めている。」なんてのも「自分に有利な将来像を予想する」とか「ありえない解決策を図る」に該当するだろう。まずは課金システムを装備してから語れよな。みたいな。
他にもたくさんあるけど面倒なので省略。

どうも今回の件、Winny作者を擁護する側に詭弁が目立って胡散臭い感じ(^^;がする。

大雑把に言って、要するに今回のWinnyの件は

「他人の私権(著作権にまつわる財産権)を侵害するために主として使われることが容易に想定されるソフトを配布する事は是か非か」
という問題であり、論点としては

・「主として使われる」と容易に想定できたかどうか
・想定できたとして、現在の法体系で罪に問うことができるかどうか

という2点だけじゃないだろうか?
それ以外の話は、より問題を大事に見せかけて賛同者を集めようとしているだけにしか見えないなぁ

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