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2005.08.26

西正さんのコラム

ペイテレビの市場拡大こそが最優先課題だ

前から思ってるんですが、どうもこのコラムの著者である西正さんってピントの外れた主張が多いような気がする。
他の記事の一覧を見ても、大雑把に言えば「無料放送に先は無い。どうやって視聴者から直接金を取るか」というような論説が目に付く。(ちょっと大雑把スギ?(^^;)
しかも、その主張の根拠は放送する側内部からの声と言うより、外部のコンサルタント的視点(と言うと良さげに見えるが、ぶっちゃけ「実情を知らない机上の空論」(^^;)ばかりが目に付く。

たとえば最初に挙げたリンク先にしても、いきなり

日本におけるペイテレビの視聴シェアは2割にも届かず、ペイテレビ先進国である米国が5割を超えているのと比べると、明らかに発展途上にある。
という文章で始まってたりする訳だけど、この文章から
・ペイテレビのシェアが少ないのは劣っている
・ペイテレビのシェアを増やすべき
という思想が透けて見える。
果たして本当にそうなのか?

元々米国でペイテレビ(というか衛星受信やCATV)のシェアが高い理由の一つとして、やたらと広い国土に極端に薄く分散して人が住んでる(地域が多い)という米国固有の特徴がある。
そういう地域では地上放送の不感エリアも広く、早くから衛星で直接受信したいという需要があったためにシェアが増えている。

またCSの利点として、多チャンネルなので見たい番組が見れる(可能性が地上波より高い)というのがあるけど、日本では米国よりも遥かに大きなレンタルビデオ/DVDという市場があって、見たいものがあれば、CS局から放送されるのを待たなくても、近くのレンタルショップに行けば(貸し出し中でなければ)すぐに見れるという現実がある。
いくら多チャンネルと言っても、せいぜい何百というオーダーであって、何千、何万というオーダーのレンタルには勝ちようが無い。

そういう日米双方の事情の違いを考慮に入れずに「米国は先進国だ。日本も米国に追い付け」と時代錯誤な主張をしているようにしか見えない。

また次に「CS直接受信とCATVのパック契約では番組供給者が受け取る対価が違うのを一物二価で問題である」とか書いてるけど、卸値と小売値が違うのはアタリマエの話でしょう。
いゃ、こんなアタリマエな事をシンクタンクでセンター所長まで務め、独立したコンサルタントとして生計を立てておられる頭脳明晰な方が気付かない訳がない。
とすると、これは「CATV局はもっと金払えや」という意思を持ったものと思われる。
実際、次のページでは

筆者は先にCATVのスタンスを「買い叩き」と言ったが、番組供給者側からすればベーシックに入ることによって数が稼げることは確かなので、ある意味では、お互いさまの関係にあるとも言える。
と書いているように、卸値と小売値の差は自由市場によって決められた結果であると認めている。
そもそも一物二価が問題なんだったら、なぜスカパーのパック料金は問題にしないのか。
にも関わらず、一方的にCATVを「買い叩き」とまで書いて貶めているのは何らかの意思が込められてるんだろうか?

私自身、TV局に近い所での仕事もしているせいもあるでしょうが、どうもこの西正さんのコラムは毎回違和感を持ってしまう。
同傾向のコラムを良く書かれている小寺信良さんの方が納得、同意できるものが多いような感じがする。

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コメント

年配の方に、アメリカの後追いをすれば間違いないと思ってる人をときどき見ます。
昔はそれでよかったのか、そういう経験があったのか。

学生の頃ディスカッションで、自分はよく知らないのに新聞の受け売りをして凌いでいたのを思い出しました。

以前通信関係の会社にいたのですが、
「インターネットマーケティング概論」という向こうの本を和訳したものを読んで研究していました。
和訳本なので読みづらいのと、リサーチがすべてアメリカのもの、何より「概論」なので「で、具体的にどうすれば?」というところまで話は進みませんで、まあ若い社員のための勉強会で終わりました。

何年かあとに役に立つかなあ。ブックオフに売っちゃった(^^;

投稿: AKIKO | 2005.08.27 01:30

>AKIKOさん
公式プロフィールによると1958年生まれという事なので47歳かな?
そう年配(^^;というような歳でもないようです。
むしろ、本人も実はそう考えてはいないけど、そういう「対米追従」の姿勢で書けば騙される(^^;人をターゲットに文章書いてるのかなぁ?という印象を受けます。

この西正さんの論点で決定的に欠けているのは、「既存のTV局の利益をどう残すか」という観点が抜けている点です。
事の善悪は置いといて、日本の映像コンテンツに対してTV局というのは絶大な影響力を持っています。
映画にせよDVDにせよ、最近ではほとんどの映像コンテンツは「○○製作委員会」という形で作られていて、それには必ずと言って良い程TV局が入っています。

ですから通信の媒体が地上波放送にせよ衛星にせよIPにせよ、映像コンテンツを流す限りはTV局の利害から外れる事はできない訳で、「TV局のやり方は古臭いから、TV局は放っておいてこっちで勝手に新しい事をやろう」というのは、ほぼ不可能と言って良いでしょう。
TV局が一つの通信媒体であると同時に、コンテンツホルダーであるという視点が欠けてる(のか、わざと知らないフリをしてる)のが、この人の主張をピンボケにさせてる原因かな?と思います。

投稿: <セルダン> | 2005.08.28 00:27

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