rootkitのようなアレ
SONY BMGのrootkitみたいなアレの問題が、依然紆余曲折を辿りながら迷走している。
関連記事は、とりあえず現時点最新の記事の末尾にあるので、この辺参照。
で、まぁ、「SONY BMGはヒドいヤツらだ」とかそういう批判はあちこちで既にやられてるので(^^;置いといて、技術的、マーケティング的な面を考えてみる。
まず、著作権管理のために通信を行うという「ネットワーク認証」という手法だけど、コレがまず筋が悪い(^^;
今回の件もだけど、以前にもレーベルゲートCDとかでも採用されていた。
これのどこが筋が悪いかというと、商品の手離れが悪すぎる。
通常のCDなら、売ってしまえばそれでお金が手元に入って1トランザクション(^^;が終了となる。
しかしネットワーク認証を取り入れる事により、認証サーバは商品寿命(商品として販売されている期間)ではなく製品寿命(CDとして視聴可能な期間)の間稼動し続けなくてはいけない。
もちろん「このCDは発売開始から1年しかPCでは聞けません」という売り方で、認証サーバも1年しか動かさないとか、そういう手はあるかもしれないけど、CDを買う人は「CDが手元にある限り(プレイヤーが変わっても)聞き続けられる」と期待している訳で、そういう人にちゃんと理解されるように告知して回る手間を考えると、少々のコストでは済まない(から、ペロッとシール貼る程度のいいかげんな告知して後で問題になる訳だ(^^;)
一般消費者を啓蒙しなきゃ売れない(売れても後で問題になる)ような商品は、余程の利益が無いとペイしないというのはマーケティングの基本。
後で問題になる前に売り逃げる(^^;ような詐欺的方法も無いでもないけど、近い将来に会社を閉める予定が無いSONYのような会社が取れる方法ではない。
また、こういう認証サーバを持ち続けるという事は、商品が売れた後、金も入ってこないのに費用が継続的にかかるという事だから、更に多くの利益(販売時点での粗利)が要求される。
しかし、CDなんてのは売価がほぼ決まってるもので、売価を上げるのは簡単ではない。
「他の所で損失が出たので利益を補填するために金を取れそうなあなたの所を値上げします」なんて事を平気で言えるのは銀行ぐらいのもの(^^;
次に、rootkit的手法という事で「こっそり」やろうとしてるのが間違い。
いくらこっそりやっても大衆に大量にバラ撒けば絶対いつかはバレる。
未来永劫バレないとでも思ってたとしたら、そうとうオメデタイとしか言い様がない。
本家本元(?)のrootkit(を使ったクラッキング)だって、バレる事を前提に、バレたら接続先をすぐに放棄できるよう、踏み台を用意してたりする訳で・・・
いゃ、実際、とあるお客さんから「rootkit仕込まれたから助けて~」と言われて対応した事があるんだけど、接続先は踏み台っぽい感じのサーバだった。
国外だし面倒なので(^^;それ以上追跡はしなかったけど。
いくらこっそりやっても接続先が固定であればパケット見ればすぐにバレる訳で、しかもCDという固定媒体にプログラムという実体まで残ってるんだから、バレてしまえばもう逃れようが無い。
これだけバレバレの証拠残しまくりの犯罪(違)は知能犯じゃなくて単なる粗暴犯。
「カッとしてやった」「今は反省している」というヤツ
# レーベルゲートの失敗で、一回反省してるはずなのに再犯(違)してる訳で、今度のが「今は反省している」で許されるかどうかは知らないけど(^^;
元々CDというのは著作権保護の仕組みが用意されていない媒体なんだから、これに下手な小細工して、本気で違法コピーしようとしている人には全く障害とならないような「著作権保護」の仕組みを入れて、会社の信頼失墜を招くようなバカな事はたいがいでやめた方がいいんじゃないかなぁ?
違法コピーでの損失より、「著作権保護」機能の失敗による企業イメージ失墜による損失の方がはるかに高いように思うんだが・・・
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