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2005.11.17

日本で21万台?

昨日の続き・・・のようなモノですが
小寺 信良さんのblog(コデラノブログ)で「ホントかよXCP日本で21万台」というのがあったのでちょっと調べて&考えてみた。

話のネタ(?)は「XCP「rootkit」組み込みマシン、日本は最多の21万台?――専門家が指摘」という記事で、大雑把に言えばXCPを組み込まれてるっぽいマシンを調査推定してみたら、世界中で少なくとも56万8200台、うち日本が最多の21万7000台だったという話ですが・・・

何か疑わしい時はソースに当れ(^^;という事で探してみると、Welcome To Planet Sonyというのが発端らしい。
これを見ると、調査したのはあちこちのDNSサーバに、XCPが使用するアドレスがキャッシュされているか否かを調べて、キャッシュされていれば誰かがそのアドレスを問い合わせたんだろうからXCPが組み込まれてるマシンが最低一台はいると推定できるという話のようだ。
でも、ここにはあまり詳しい調査方法が無かったので更に探してみると、英語版のWired Newsにもうちょっと詳しい話が載っていて、connected.sonymusic.com、updates.xcp-aurora.com、license.suncom2.comのいずれかがキャッシュされているDNSサーバをXCP利用者がいるネットワークとして計算したらしい。

まず注意しなくてはいけないのは、この数字は「DNSサーバの数」であって「ユーザの数」ではないという事。
一台のDNSサーバを使っているユーザ数は、一定ではない。
ウチの会社のDNSサーバのように、数人しか使ってないサーバもあれば、OCNや@niftyのように何万、何十万という人が使ってるDNSサーバもある。
しかし、「DNSサーバの数」で言えばどちらも1な訳で、それを積み上げた数字で多寡を比べても意味は無い。

更に、調査対象としてupdates.xcp-aurora.comを含んでいるのは非常に大きな問題で、このアドレスは削除ツールの公開URLとして記事などでリンクされており、connected.sonymusic.com、updates.xcp-aurora.com、license.suncom2.comはXCP以外では使わないという前提が崩れている。

もっと言えば、調査日時が明示されていないのが大問題で、この調査が何日に行われたかで話は大きく変わってくる。
たとえばこの記事が出た11/7か翌日の11/8に調査を行ったのであれば、この記事を見て「どんなもんかな?」とリンクを辿ってみた人が日本にたくさんいたかもしれない。
この記事の原文は11/3なので、米国では4日経過していて、もうリンクを辿る(というか記事を読む)人も少なくなっている可能性が高い。

という事で、この調査結果は全く信憑性に欠けると言わざるを得ないんじゃないかな?

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