「リレーションシップ・マーケティング」
まぁぶっちゃけて言えば、「新規顧客を開拓するより"常連さん"を離さない方がコスト低くて楽だよね~」という話(微違)ですが、この辺が@niftyって苦手というか逆を行ってるような気がする。
確かに、日々の会員数増減という数字を見てたら、「おぃおぃ、どんどん会員減ってるぞ。こりゃ~新規会員増やさなきゃ大変だ~」という気になるのかもしれませんが、そう考える前に、まず「なぜ会員が減ってるのか」という原因を考える必要があるのではないでしょうか。
最近の@niftyの対応とかサービス展開を見て「@niftyがキライだからやめる」という人も、まぁいるにはいるかもしれませんが、最初から@niftyがキライな人なら契約なんてしない訳で、「@niftyがキライになった」人はいても「最初からキライだった」という人は少数派でしょう。
じゃあ、なぜキライになるのか。
また、好き嫌いという感情的理由(^^;ではなく、他社サービスと比較して、冷静な判断から@niftyに見切りを付けて他社に流れる原因は何なのか。
それは言わずもがな(^^;という感じもするけど、要するに「やめちゃいたくなる程サービスレベルが低い」から。
一度始めてしまえば、他社サービスと比べて「ちょっと不満だな」と思う程度では、そうそう他社に流れてしまったりはしないもの。
特にブログやWeb系のサービスというのは、他社に変わってURLが変わるというのは、ユーザにとっては大きな損失なので、少々の不満では変わったりしない(もちろん、昔のURLを捨てても惜しくないという程度のコンテンツしか無いという人もいるでしょうが)
URLという不動産(^^;があって、移りにくい条件はあらかじめ存在しているにも関わらず、それでもなお他社に移ってしまうというのは「我慢できない程他社と格差がある」という事を示している。
物販と違って「1:5の法則」の数字は多少違ってくるかもしれないけど、それにしても新規顧客の開拓に要する費用の何割かを既存顧客の既存サービスの充実に振り向けるだけで、顧客の流失はかなり減らせるのではないでしょうか。
「サーバーを増強しました」「回線を増強しました」というのは、何か新しい事ができるようになる訳ではないので、アピールとしては「新しく○○ができるようになりました」というのに比べて弱いかもしれないけど、コストをかけて1万人増やすのと、半分のコストで1万人の減少を抑えるのは同じ効果を得られる訳で、コストが半分ならコストパフォーマンスは2倍で大変オトクな結果になります。
URLと言えば、昔から@niftyはURLという不動産価値(^^;をあまり評価していないようで、実際@nifty自身もあまりうまくURL不動産(^^;を活用しているとは言いがたい。
たとえばココログのトップページを見てみると、何と驚く事に(^^;、@niftyのトップページへのリンクが存在しない。
http://www.nifty.com/ という@niftyのカオに十分な配慮を払っているのであれば、@niftyの1サービスであるココログのトップからリンクを張らないなんて事はあり得ない事でしょう。
古河社長のblogに山根一眞さんからの指摘として「サービスが複雑化して使いにくい」というのがあったけど、この原因の一端も、URL不動産価値の軽視にあると思う。
たとえばラクーカンという新しいサービスを始めて、ここでは@homepageで提供しているWebスペースとココログで提供しているブログの両方が使える。
だけど、@homepageユーザがラクーカンへ移転するにはURLの変更が必要だし、もちろんココログからの移転でもURLが変わる。
これではいくら「良いサービスだな」「これぐらいなら金払っても良いな」と思っても、移転したくは無い。
移転したくない人がいっぱいいるから、いつまで経っても旧サービスを残さなきゃいけない。
でもある程度まで行ってしなうと旧サービスも捨てたくなるので捨てるとユーザから反感を買う。
仕方ないから旧サービスをいつまでも残しておくから複雑になる。
という悪循環にあるのではないでしょうか。
もしここで、@homepageのURLをそのまま使える(というのはちょっと技術的に問題が難しくなるから、@homepageでラクーカンへのリダイレクト設定が半永久的[*1]にできる)とか、ココログのURLをラクーカンへ持ち込めるという対応が取られるなら、移行しようと考える人も増えるでしょう。
また、将来的に@homepageやココログが旧サービスとなり止めたくなれば、Webスペース限定、ブログ限定のラクーカンのサブメニューを作り、@homepageやココログと同価格として、自分から移転しようとしないユーザを強制的に移転させたとしても、それ程多くの不満は出て来ないだろうから、めでたく旧サービスを収束させる事もできる・・・かもしれない。
ユーザは@homepageというサービスに愛着があるのではなくURLを変えたくない。ココログというサービスに愛着があるのではなくURLを変えたくない。そう考えているのではないでしょうか。
URLというのはいつも見に来てくれる"常連さん"へのリレーションシップ・マーケティングに重要なものですから。
逆に言えば、多くの他人のページにリンクされ、Googleなどの検索エンジンに登録され、多くの人のブックマークに登録されているURLという不動産価値が担保されるのであれば、多少の管理の違いという外から見えない部分に拘る人は少数派ではないかと思います。
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[*1] 「半永久的」はさすがに無理というか大言壮語的(^^;ですが、少なくともユーザがラクーカンへアカウントを持つ限り、@niftyの意地とメンツと矜持にかけて保持するぐらいの勢いで(^^;
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