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2006.04.03

IPv4が足らなくなる日

IPv4アドレスは「数年から10年で枯渇」 JPNICが対策を提言

何か、20年以上前から枯渇する枯渇すると言われてますが・・・
まぁ、石油みたいなもんで(^^;

「対策を提言」と言う割には何か具体性に欠けると言うか何と言うか。
要するにいつまで経ってもIPv6に移行しようとみんなが考えないからマズい訳で、みんなが気軽にIPv6に移行しようとするインセンティブが用意できないと、結局いつまで経ってもダメなんじゃないかなぁ?
特にプロバイダとかでIPv6はオプション設定で別途金がいりますよってな感じでやってる所も多いけど、そういうのだと気軽にIPv6使ってみようかな?という気もしないだろうし。

IPv6を増やして、なおかつIPv4の使用を減らすなら、もっと効率的な方法はある。
たとえば、プロバイダがIPv6に課金するのであれば、その最も高い単価(たとえばOCNだとOCN 光サービスIP1 (F) ビジネスタイプの月7,350円)を割当しているIPv4アドレス数にかけたものを「IPv4利用税」として課金すると(^^;
もちろんIPv6は全部タダで使えますよ~ってやってるプロバイダなら「IPv4利用税」は免除。

IPv6だろうとIPv4だろうと、一つの接続サービスによって発生するトラフィックはほぼ同じ(IPv6の方がアドレスが長い分若干多いだろうが)な訳で、トラフィックに対しての課金は接続サービスで課金済みな訳だから、IPv6オプションに対する課金というのは、純粋に「IPv6アドレスを使用できる事に対する対価」であり、そのプロバイダはIPアドレスにそれだけの価値を認めている訳だから、それなら同じだけの価値をIPv4に認めてもいいじゃないかという話。

もちろん、こんな金払うプロバイダは無いだろうから(^^;、IPv6のオプション料金は無い方向に向かうだろう。
すると、みんなIPv4でもIPv6でも好きな方(または両方)を付加課金無しで使える環境が整う。
そうなれば、サーバとか立ててる人は、「タダならIPv4でもIPv6でもどっちでも接続できるようにしようか」というデュアルスタック化へのインセンティブが生まれる(ほとんどのサーバ環境では、デュアルスタック化への対応はされているから、要は管理者がやる気になれば済む話)。
サーバ側のIPv6対応が進めば、クライアント環境としてもIPv6で困らない状況になってくるからWindows VistaとかのIPv6レディなOSが増えてくれば、IPv6の採用も進んでくるだろう。

で、ここまではIPv6を増やす話。
そうやってIPv6レディなクライアント環境が整うのを5年ぐらい待った後で、今度は本当に(^^;IPv4課金を行う。
単純にIPv4の数で課金しちゃうと大規模プロバイダ程負担が大きくなってしまうので、IPv4アドレス数-(実際に使用されている)IPv6/64ブロック数に対して1個あたり100円とか課金をする。
IPv4よりもIPv6の使用数が多いプロバイダだと、どんなに大きなプロバイダでも課金0だし、IPv6対応してないプロバイダだと丸々IPv4アドレス数だけ課金がかかって来る。
プロバイダとしても、課金を減らすために、IPv6の啓蒙をしたり、逆にIPv4をオプション設定にして課金したりという事になるだろう。
そうなれば、ユーザとしても「無駄に金払うぐらいならIPv6でいいか~」と移行するインセンティブとなる。

ミソとしては、IPv6に積極的なプロバイダには課金がかからないようにして、消極的なプロバイダからは金を取る事で、IPv6への移行を進めると。

まぁ、JPNICなんてプロバイダの寄り合い所帯(^^;だから、自らに課金をするような、こういう方法は絶対取らないだろうけどねぇ(^^;

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コメント

思うに、日本だけに限って言えば、10年経ってもIPv4のままでイケそうな気がします。
何故なら、人口が増えないから。
VoIPはプライベートIP同士でも通話できるんですって、知りませんでした。(汗
そんならIP家電もイケそうな気がしません?
米国なんかは腹立たしくなる位にIPを占有していますが、日本でも一部の企業はかなりグローバルIPを必要以上に確保しているようですし、/8アドレス空間をIANAからAPNIC経由で貰えればもう十分な気がします。
なんだかんだでグローバルIPがどうしようもなく足りなくなるという現象はそう簡単には起きないように思います。

それよりも本気でIPアドレス枯渇の危機に直面するのは、中国ではないでしょうか。
日本の数十倍以上のIPアドレス空間を占有しているようですが、あの人口ですから、あの国の経済の先行きが不透明ではありますけど、IPは即座に枯渇するんじゃないでしょうか。

いずれにせよ、クライアントOSとアプリと回線と各種サーバが全てIPv6にシームレスに対応していないとダメでしょう。

投稿: 松田陽一 | 2006.04.04 22:49

>松田陽一さん
リンク先のJPNICのPDFによると、APNICからの配分では日本33.68%に対して中国21.83%らしいです。
一つの中国(^^;という事で台湾(6.81%)を足してもまだ日本の方が多い。
もっとも、世界全体で見れば米国59.50%、日本6.43%と、米国が10倍近く使ってたりする訳ですが(^^;

NAT使ったりポートフォワードを使うとか、ネームベースのバーチャルホストとか使って、一つのIPアドレスでやり繰りすりゃ何とかこのままIPv4でも行けない事は無いでしょうが、中国が大量にIPアドレスを必要としているとか、今はデジタルデバイドでアフリカ諸国はIPアドレスの需要が少ないですが、この先$100PCとかで需要が増えた場合に足らなくなっちゃうじゃんとか、そういう事を考えれば、この際だからIPv6でもいいんじゃないかなぁ?という気もします。

投稿: <セルダン> | 2006.04.05 05:26

spamの送信元IPアドレスを調べるために、ほぼ毎日のようにwhoisとにらめっこしてるんですが、日本のIPアドレス取得状況と中国のそれとを比べると、びっくりする位中国は広く取ってるんです。
日本の方が多いってことは、どこにそんなIPアドレスがあるんだろうか、誰がそんなにIPを確保しているんだろうか。
IPv6を否定するつもりは毛頭ありませんですし、むしろさっさと移行したい位なんですが、現状、うまいことやりくりしちゃってるんですよねぇ。
枯渇の危機を一番実感している国(=ほぼ日本だけ)のマンパワーだけでは、移行に必要な基盤(=クライアントOSとアプリと回線と各種サーバ)の整備はおぼつかないのかも知れません。

投稿: 松田陽一 | 2006.04.05 06:52

>松田陽一さん
その「広く取ってる」というのは、一まとめで大きなブロックを取ってるという意味でしょうか?

最近(という程最近でもないですが)は、IPアドレス数とともに、経路数も増えてきて、BGP広告数が増えてルータの負荷も重くなってくるという事で、需要予測に基づいてなるべく大きなCIDRブロックを割当てる傾向にあるようです。
そのため、近年需要が急増している中国では大き目のブロックを取っているプロバイダも多いのではないかと・・・

日本のどこにそれだけのアドレスが埋もれてる(^^;のかというのは良くわかりませんが・・・
というか、昔はどのアドレスブロックを誰に割当ててるのかという一覧をJPNICが公開してたのですが、最近は開示請求しないと出て来ないようです。
ずっと昔(10年ぐらい前(^^;)の情報によると、大学とか企業とかでクラスBのアドレスブロックを沢山持ってる所とか結構ありました。
まぁ、昔はCIDRとか無かったので、256以上になればクラスBを使うというのがふつ~でしたし、多拠点を持つ企業だとクラスBを複数持つというのも良くあった話です。
今どれくらいが返却されてるのかはわかりませんが、そのまま持ってるとしたら、日本に割当てられたアドレスの半数ぐらいはそういう所が持ってるかもしれません。

投稿: <セルダン> | 2006.04.05 19:11

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