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2006.07.14

日銀がゼロ金利解除へ

日銀がゼロ金利解除を決定したらしい。
まぁ、規定路線ではありますが(^^;

そもそもゼロ金利というのは、ぶっちゃけ「金借りてもタダ」「金貸しても何の利益も無い」というかなり異常な状況。
貸す方にしてみれば、金を貸すという事は、もしかしたら戻ってこないかもしれない可能性があるのに、そのリスクに見合った収益が無い。
借りる方にしてみれば、他人の財布を勝手に使って、元手無しで何でもできる状態(もちろんいつかは返さなきゃいけないけど(^^;)。

そういう異常な状態を幸せな時代と言うのは、何か間違ってるんじゃないだろうか?
ヤク中患者が薬キメてたり、アル中患者が酒呑んだりしてりゃ、そりゃ幸せだろうけど、正常な常識を持ち合わせてる正常な判断のできる人であれば、そういう幸せが長続きしない事は容易に想像できるだろう。
ゼロ金利が異常であるという認識ができないゼロ金利中毒患者(^^;は、ゼロ金利が解除されれば「不幸せになったな~」と思うかもしれないけど、そういう人は更生施設にでも入って中毒状態を脱する必要があるんじゃないだろうか?


ここ数年、「貯蓄から投資へ」という国策の元、個人投資家というのが増えているけど、この「貯蓄から投資へ」というキーワード自体が怪しい。
個人の資産が貯蓄に回るため、資金の必要な所に金が回らないから、もっと個人資産を投資に回しましょうという事なんだけど、それは本当に正しい事なのか?

ここで、「貯蓄」というものを考えてみると、タンス預金は別にして、通常「貯蓄」と言った場合、銀行などの預金という事になる。
銀行は預かった金をどうするかと言うと、全部金庫にしまっとく訳ではなくて、金の必要な人に貸し出しをする。
で、預金金利と貸出金利の差が利鞘となって銀行の収益になる。
銀行の貸付というのは、個人相手の不動産ローンとかもあるけど、法人向けの貸付で企業への資金供給もしている。

「資金の必要な所に金が回らない」状態というのは、その「資金が必要な所」が銀行から見て危なっかしくてとても貸せない所とか、銀行より低利の金を必要としている所という事になる。
そこへ個人の金を回しましょうという事は、信用調査の(仕事でやってるという意味で)プロが避けて通りたい相手、利鞘が薄くて相手したくないような相手に個人で金貸してくださいという事に他ならない。
貯蓄が多いから資金が回らないのではなく、ハイリスクだからとか投資対効果が薄いから資金が回らないだけ。

でも、ハイリスクな所でもやっぱり金は必要な訳で、そういう所はどうすんだ?という話もあるけど、そういう所にはノンバンク系もある訳で、たとえばサラ金とかの消費者金融やベンチャーキャピタルもある。
銀行は、そういうノンバンクを経由して貯蓄で集めた金を資金提供してる訳だから、貯蓄が多いとハイリスクな所に金が回らないというのも間違い。
また、銀行を源泉とした経路以外にも、保険や年金、証券会社やファンドなど、資産運用のプロはたくさんいる訳で、そういった所からも資金が得られないような所というのはかなりリスクが高い。

結局の所「貯蓄から投資へ」というのは、投資のプロがババを押し付ける相手として個人の資産を求めてるだけじゃないだろうか?
市場に投資のプロだけしかいなければ、いつかはそのプロの誰かがババを引く事になってしまうけど、そこへ情報収集力でも情報分析力でも劣る個人が入ってくれば、プロがババを引いてしまう確率は低くなる。
もちろん短期的、局所的に見れば個人でも儲けることはできるし、プロでもババを引いてしまう事はあるだろうけど、長期的、統計的に見ればプロよりシロウトの方がリスクは高い。

「貯蓄が多いから企業に資金が回らない」と言うのは、銀行に集められた貯蓄が企業貸付という形で直接に、あるいはノンバンクなどを通して間接的に企業へ資金が回っているという資金循環を無視した(あるいは意図的に見なかった事にした)話で、明らかに間違っている。

で、ゼロ金利の話に戻る訳ですが、金利が下がるとどうなるか。
銀行としては金利が低下して預金金利/貸出金利が下がっても、その差が同じなら同じだけの収益を上げる事ができる。
たとえば、預金金利が5%で貸出金利が8%だろうが、預金金利が0%で貸出金利が3%だろうが、その差は3%で変わらないから1年間100万貸せば3万円の収益というのは同じ。
利鞘さえ確保できれば金利が下がっても銀行は痛くも痒くもない。
問題は「差」であって「絶対値」ではない。

困るのは銀行に貯金をしていた人達。
預金金利が5%なら、100万預けて一年で5万円になってたのが、預金金利が0%だといくら預けても一円も入ってこない。
となると、その5%の利息をアテにしていた貯金は利益を求めて投資へと向かう事になる。

日本には古来より(^^;「餅は餅屋」という言葉があって、専門家に任せた方が良いという考え方がある。
もちろん、自分で餅を搗くという過程を楽しむならそれでも良いんだけど、最終的に良い餅(って何?)が欲しければ餅屋に頼むのが一番。

これまで日本では、預金という形で投資のプロである銀行に餅搗きを頼んでいたのに、バブルの崩壊で大量の不良債権を抱えてしまった銀行は、ビビッて餅搗きを辞めてしまった。
資金運用に自信の無くなった銀行は、資金を運用する事ではなく手数料収入などで糊口を凌いでいる。
餅屋が餅作るのを辞めて、仕入れ販売する小売店になってしまった。
でも小売は小売でリスクは少ないけど実入りも少ないし競争も激しい。
その結果、大規模な銀行再編があちこちで起こっている。

今後、ゼロ金利の解除で銀行金利も徐々に上がっていくだろうけど、銀行が再び資産運用をする餅屋に戻るのか、それともローリスクな小売のままで行くのか。
あるいは、銀行とは別の餅屋が現れるのか。
いずれにしても、本業を別に持つ個人がいちいち自分で搗かないと餅が食べられないというのは分業社会としておかしな事だ。
美味しい餅を作ってくれる餅屋が現れるor復活する事を期待しよう(^^;

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コメント

「美味しい餅」ありまっせ、というeメールがときどき来てるような気がします。信用していいのかしら???
(^^;)

投稿: 楊柳(やなぎ) | 2006.07.15 03:13

>楊柳(やなぎ)さん
頼んでもないのに、「儲かりまっせ」と相手から言ってくる情報は嘘の法則が・・・

# 法則?(^^;

投稿: <セルダン> | 2006.07.15 15:29

低い利率で借りたローンを現行のまま、としたりするとしばらくはあれかもしれませんね。

投稿: たえ | 2006.07.18 10:54

>たえさん
まぁ、金利が上昇した場合、預金金利より貸出金利の方が驚く程速く上がるのが銀行というモノで・・・(^^;

投稿: <セルダン> | 2006.07.18 18:48

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