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2006.08.28

CGMの分かれ目(前編)

SNSやブログ、「勝ち組・負け組」の分かれ目は

SNSとブログでは大きく理由が違うような気がしますが・・・
SNSでは、ほぼmixi一人勝ちという感じですが、ブログでは特にどこという偏りははっきりしていないし。
もちろん、多くの人(投稿者)がいるブログ(サービス)と、あまり人のいないブログ(サービス)というのはあるけど、SNSのような一極集中という感じではない。

理由ははっきりしていて、SNSというのは自分がAというサービスの会員であっても、Bというサービスの会員とは交流できない。Bというサービスの会員と交流するには、自分もBというサービスに加入するか、相手をAというサービスに入れるしかない。
あちこちのSNSに加入していても、やがてクリティカルマスを超えれば「ここだけ入ってれば済むじゃん」という事になって、一極集中となる。

一方でブログの場合は、自分がどこのブログサービスを使っていても、それを読みに来る人はそのブログサービスに加入している必要は無いから、特定のブログを見るためだけにブログサービスに加入するというインセンティブは働かない。
もちろん、「ブログでも始めてみようかな~」という人がブログサービスを選択する基準の一つとして、良く見かけるブログサービスを選ぶ可能性があるというのはあるけど、それは単にそのブログサービスの露出度が高いからそうなっているだけで、「そのサービスを選択しなくてはいけない」という必然性は無い。
言ってみれば、性能・品質・嗜好性などの差が少ないコモディティなものでは、CMで良く目にするものが良く売れるという昔ながらのマーケティングの原理によって人が集まっているだけ。
どちらも最近流行るモノではあるけど、人が集まる理由が違う。

SNSでmixiが一人勝ちとなった理由を次ページで書いてあるけど、どれも理由としてはハズレな気が(^^;

まず最初の「オピニオンリーダー」だけど、初期のmixiでは音楽系というより、(自称、エセ(^^;含め)デザイナー系の人が多かったと記憶している。
音楽系のコミュも決して少なかった訳ではないけど、音楽に全く興味が無いという人は少ないから、人が集まれば音楽の話も出てくるよね~というだけで、音楽系のオピニオンリーダーが存在して、その人を核に人が集まったという訳ではないように思う。

次の双方向参加型のアーキテクチャって何の理由にもなってないですね。
双方向性の無いSNSはSNSじゃないでしょ(^^;
双方向性の無いSNSがあったら教えて欲しい。

次の「軽さ」って・・・
最近でこそトラブルも減ってますが、ちょっと前までmixiって夜にはエラーが出るわ表示は遅いわで多くの不満の声が上がってたんですが・・・
他のSNSってもっとヒドいの?(^^;
少なくとも0.1秒を云々できる程他と差別化されてた訳じゃないし、軽さランキング(謎)では常に低位を彷徨ってたのがmixiな気がするんですが・・・

最後の結論の所(クリティカルマスに到達して爆発的に増えた)だけは合ってますが、「先に述べたいくつかの重要な要素」は全然重要な要素じゃなかったような気がします(^^;
で、このクリティカルマスに達したのがmixiが速かった理由ですが、結局の所、後で考えてみればクリティカルマスに達するのが一番速い所に人が集まるというのがわかった訳ですが、当時(っていつ?)はそういう事を考えて積極的にクリティカルマスを越えようとするサービスが無かった。
その中で偶然mixiが一番最初にクリティカルマスを超えてしまった。
それだけの事でしょう。

前の日記のコメントでも書きましたが、@niftyも当時まだ多くの「オピニオンリーダー」であるフォーラムのSYSOPとかを抱えていた訳で、携帯なんかに色気を出さずにPC向けだけど携帯も可程度のSNSを始めて、SYSOPには無制限の招待権を与え、フォーラムをSNS内のコミュニティに移行させるような形で雪ダルマ(^^;を転がせばmixiを上回る可能性もあったのにそうしなかった。

このITmediaのコラムを書いてる伊地知氏所属のライブドアにしても、フレパで積極的にクリティカルマスを越えさせるような施策を取らなかった。
このクリティカルマスというのは、会員数もそうだけど、そこにある情報量にもクリティカルマスはある訳で、単にlivedoor IDを持ってれば会員というだけでは、人数は集まっても情報量が集まらない。
特にSNSで重要な人と人とのつながりという情報は、誰でも登録可能な形では蓄積されない。

そういった、当時としてはどのサービスも手探り状態で、クリティカルマスを超える事の重要性が認識されていなかった。そもそも、どの程度の人数、情報量がクリティカルマスなのかというのもわかってなかった中でmixiが抜け出たのはかなり偶然性が高いように思います。


後編へ続く

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