「ソフトバンク、売上高2.5兆円・経常益5.5倍に 携帯事業買収が貢献」
何かとても景気の良さげな見出しですが(^^;、良く見てみましょう
売上高は129.5%増の2兆5442億円。昨年4月末に連結化した携帯電話事業で1兆4420億円を計上。
携帯除くと1兆1022億円で、昨年(2006年3月)が1兆1086億円なので減ってますね(^^;[
参考]
買収前のボーダフォン時代最後になる昨年の決算では、1兆4675億円だったので、こちらも減ってます。[
参考:PDF]
売上高1兆1086億円の企業と1兆4675億円の企業が合併して、単純に売上高を合わせると2兆5761億円だったのが2兆5442億円になってるんだから、
売上高1.2%減というのが正しい表現かと(^^;
営業利益は4.3倍の2710億円。携帯事業で1557億円を計上したほか
こちらも同様に見てみると、携帯以外は1153億円。昨年が622億円なので、増えてる事は増えてます。
携帯の方では昨年が763億円なので、こちらも増えてますが、合計の1385億円が2710億円になったんだからせいぜい2倍って所ですね。
ただ、一昨年はボーダフォンの営業利益は1580億円あった訳で、昨年度はボーダフォンからソフトバンクへの売却に当って営業費用の見直しなどで利益が圧縮された可能性もあります。
いわゆるクリエイティブアカウンティングというヤツで費用先送りしてたのを、売却に当って表面に出した結果利益が圧縮されたと。
ちなみに3年前の2004年3月期決算での営業利益は1850億円だったので、減少基調であったのは確かなようですが(まぁ、だからボーダフォンも売っ払う気になった訳ですが(^^;)、こういう特殊要因を除けば1200億ぐらいの利益は出せたんじゃないかという気も・・・
まぁ、こういうクリエィティブな話(^^;は経営者の胸先三寸な話なので仮定を置いても仕方ないから公表通りの数字で考えるとして、携帯の営業利益が794億円増。
「結構増えてるぢゃん!」という気もしますが、考えなくてはいけないのは例の持ち帰り0円というヤツ。
これまでは販売奨励金という形で、端末の売上げと(ほぼ)同時に営業費用が発生していたのが、割賦販売の形になれば相当する費用は2年程度をかけて順次費用化されて行く事になるハズ。
発表されたのが10月末だから、11月~3月の5ヶ月で考えれば、販売奨励金モデルで発生したはずの営業費用の5/24しか営業費用として出て来ない事になります。
(もちろん、販売奨励金以外にも営業費用はたくさんありますから、営業費用全体の5/24という意味ではない)
実際にどの程度販売奨励金が割賦形式に変わったのかという額は公表されていないようですが、販売奨励金が1台あたり4万円前後で3月末の時点でホワイトプラン加入者が300万件という数字がある。
ホワイトプランの加入者は新規ばかりでなく既契約者の乗り換えもあるし、新規でもホワイトプランを選ばない人もいるし、契約だけ変えて機種変しない場合もあるし、新規or機種変でも買い切りの場合もある。
とまぁ色々要素はあるけど、まぁ、ザクッとした感じ(^^;で100万件のオーダーだろうと予測すると、400億円ぐらいの販売奨励金が割賦に切り替わったんじゃないかなぁと妄想。
すると、400億円×19/24=300億円程度は営業費用の先送りができる事になる。
前提とした数字がかなりいいかげんな妄想(^^;なので、この数字は2~3倍になったり半分になったりするかもしれないけど。
(仮に2倍だとすると、全営業利益の増分は割賦販売への切替による帳簿上の増という事に・・・)
と、まぁ考えてみると、景気の良い数字もちょっと眉に唾して見なきゃいけないような気が・・・
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