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2007.08.31

著作権商売というモノ

YouTubeと英国著作権管理団体の合意について
栗原潔さんのBlogからです。

ところで、このように結局、権利者に金が回ればいいじゃんという形で落ち着くのは知的財産に特有の考え方だと思います。要は、善悪の話ではなく、損得のお話しということです。
こう話が単純(?)で済めば良いんですが、こういう本音を隠したままに「名誉の問題だ」とか言う人がいるから色々話がまとまらないんだろうなぁ。

ま、それはさておき、単純な損得の問題として考えた場合、知的財産の「販売者」としての権利者というのは、一般に物品を小売している販売者に比べて非常に商売が下手なんじゃないかな?
後段にある、「利用料を払いますと言ってもダメなわけです。」なんてのはその最たるもの。

最近ではPCのソフトもフリーなものが増えてシェアウェアというのも減っていますが、このシェアウェア、当初は「支払は銀行振込みのみ」みたいなのが多かったですが、@niftyの送金代行サービスやベクターなどの容易に支払える手段ができて大きく売り上げを伸ばしました。
端から全く払う気の無い人と、何が何でも払う人との間には「良心的でいられる範囲では良心的な人」が非常に多くいて、その人達を「良心的でいられる範囲」に留められるかどうかが売り上げの鍵になる訳です。

で、音楽の場合を見てみると、JASRACの手続きが書類のやり取りを伴う面倒なものだったり、個人が気軽にやるには利用料が高いとか、市販CD楽曲を使おうと思ったらJASRACだけじゃなくてレコード会社にも許諾を取って別途使用料を払わなくてはいけないと、多くの障壁(^^;が待ち構えています。

「損得」だけで考えた場合、書類なんて必要でしょうか?
手続きが面倒だと思って楽曲を使わない/許諾を得ずに(使用料を払わずに)使うという売上減少要因になっているのではないでしょうか。
八百屋がどこの誰に大根を売ったかなんて気にするでしょうか?

個人・非営利の場合でダウンロード形式10曲までであれば、年間1万円ですが、毎年自腹で1万円払ってでも自分の演奏を聴いて欲しいという人がどれだけいるでしょうか?
もう当たり前になって、あまり言葉も出てきませんが、IT化や集約化によって、これまでコスト割れするからと販売機会ロスしていたモノを売るというロングテールという概念を著作権許諾でも取り入れてはどうでしょう?

許諾商売の場合、書類のやり取りなど人的な介入を一切省く事ができれば、原価は限りなくゼロに近づく(サーバや回線等の固定的コストや、トラブル対応時の人的コストがあるのでゼロにはならないですが)ので、下値の余地はまだ大きくあります。
後は、値下げによる利用者の増加と、これまで高値で支払っていた人からの売上減の見合でどこまで下げられるかは決まってくるでしょうが、少なくとも、ボリュームゾーンは1万円よりはかなり下なんじゃないかと思います。
(ここではあくまでも「損得」だけを考えて、売上を最大化する事を考えていますから「こんなハシタ金で使われるなんて許せない」なんていう心情的側面は全く考えていません)

じゃあ、具体的にどれぐらいなら良いんだ?というと難しいですが、マーケティングではクリティカルマスを超えるのが20%程度と言われていますから、「いくらぐらいなら払っても良いと思うか?」というのを調べて、その上位20%程度の人が答えた金額ぐらいまでが「これまで高値で支払っていた人からの売上減」が優勢な価格帯で、それを下回れば「値下げによる利用者増による売上増」が優勢な価格帯になるのではないかと予想します。

また、こちらも既にアタリマエになってしまってますが、ワンストップサービスというのもありますね。
JASRACはあくまでも著作権だけを管理してるんだから、隣接権のあるCDをそのまま使う場合は別途レコード会社に・・・とかタルい事(^^;言ってないで、ワンストップで全ての処理ができるようにしてはどうでしょうか?
JASRACではできないと言うのであれば、JASRACは解散して、著作権、隣接権を一緒に管理できる組織を作るのが良いかもしれません。

他にも、毎年払うのを面倒と感じる人も多いでしょうから、たとえば特定のファイルに対して同一URLにある限りは、著作権料を一回払えば済むとか、そういう制度も良いかもしれません。

こういう、物品の小売であればアタリマエに行われている「消費者ニーズに応える」「消費者視線で考える」という事ができれば、「良心的でいられる範囲では良心的な人」を良心的でいられる範囲に留める事ができ、ひいては著作権者の収入を増やす事にもなるのではないでしょうか。

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