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2008.03.04

東芝社長が語る「次世代DVDなし」の成長戦略

[WSJ] 東芝社長が語る「次世代DVDなし」の成長戦略

何だか、HD DVDという次世代メディアをあきらめたので「あっちの葡萄はすっぱいさ」と言ってるような気もしますが(^^;
現行DVDで十分という事は、HD DVDがBDに競争上負けただけじゃなくて、HD DVDを始めた事自体が間違いだったという事になりませんか?

それに、ビデオのダウンロード市場といっても、確かに将来的にはそうなるかもしれませんが、直近にどうこうなるような状況ではない。
これは、ISPのバックボーン含め、インフラの再整備が必要だし、これまでメディアを買うなり借りるなりしていた人を、「映像はダウンロードするものだ」と意識改革させる必要がある。
また、権利者側にもダウンロードでの販売を許諾してもらう必要がある。
この辺の意識改革もかなり大変。

iTunesで音楽ダウンロード販売がうまく行ったという前例はあるけど、音楽と映像では取り巻く状況がかなり違う。
まず、通信帯域ですが、当時音楽流通に十分なだけの帯域が既にあったのに対して、現状SD画質ですら十分とは言えない。
日本はまだ光とか増えてるので足回りは何とかなるかもしれないけど、HD画質ともなるとサーバ側に多大な投資が必要になるし、IXだってパンクしてしまうでしょう。
ましてや、海外では日本ほど光が普及してないので、足回りから考えて行かなきゃいけない。
もちろん、今現在でも短時間のHD動画を少数の人がアクセスする程度のものは実現しているけど、それじゃあ、何百万、何千万人がアクセスできる環境もできるかって~と、そう簡単な話ではない。

次に人の意識の方ですが、iTunesが始まる以前にNapsterなどで音楽をダウンロードするという事に、ある程度人々が馴染んでいた。
また、多くの人はNapsterなどで無料で音楽をダウンロードする事に便利さを感じつつも、ある種の罪悪感を感じていた所に、便利さを維持したまま罪悪感を解消する事ができるiTunesが登場したので、一斉にiTunesに流れたというのもあるでしょう。
じゃあ、ビデオの方はどうかというと、現状でもWinnyなどで若干は流れているようですが、市場を形成するほど多くの人が使ってる訳ではないし、Winnyは当時のNapsterにように無邪気に(謎)人が集まってくるような状況でもないから、今後もそれほど人は増えないでしょう。

逆に、権利者側の立場から見ると、音楽の場合はNapsterなどでさんざんに無料で流通しちゃってる当時の状況で、「ちゃんと権利処理しますよ」と言われれば背に腹は代えられない(^^;という事もあって、「タダよりはiTunesの方がマシ」という判断もあったでしょう。
しかしビデオでは、YouTubeやニコニコみたいな低画質では危機感があるでしょうが、SD以上の高画質では、まだレンタル含めたメディアの方が優勢なので、急いで権利処理されたダウンロード販売に移行しなきゃいけないという意識は薄いでしょう。

それに、HD DVD対BDの決着が付いて「さぁ、これからBDだ!」って言ってる時なんですから、ここに「ネットで・・・」と言い出しても「ちょっと待て。BDが落ち着いたら考えるから」と言われてしまうのがオチでしょう(^^;
権利者側としてもBDで投資が必要なんだから、その投資の回収を遅らせるような事に積極的にコミットしたくはないでしょうし。

という事で、ビデオのダウンロードが一般化するには、早くても十年、あるいはそれ以上必要なんじゃないでしょうかねぇ?
とすると、「BDを選択しない」という事は、それだけの期間、東芝のAV家電は停滞を余儀なくされてしまう訳で、とても論理的な判断とは言えないと思います。
ここはやはり耐えがたきを耐え、忍び難きを忍んで(^^;、他社からBDドライブ買ってでもBD機を出した方が良いんじゃないでしょうかねぇ。

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コメント

ソニーもVHS機出しましたしねえ。

投稿: TOM neko | 2008.03.05 18:08

>TOM nekoさん
そうそう。
すっぱい葡萄でも、食わなきゃ生き残れないなら食うべきなんじゃないですかねぇ(^^;

投稿: <セルダン> | 2008.03.06 00:41

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