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2008.05.01

数字の表と裏

数字には表と裏がある――GW中の旅行消費から景気を読むと?

本旨に付いては全く異論はないし、最後の

政府は日本の景気見通しについて、横ばいと考えているようであるが、本当に横ばいという判断で正しいのか。最近出てくる各種データを見ていると、そう思わざるを得ない。
という部分には同意できるけど、「数字やデータは先入観次第で解釈が大きく変わる」例として挙げている国内旅行の需要見通しに付いては、旅行業者というより、むしろ著者の保田氏の先入観によって解釈が変わってしまっているような気も・・・

GW中の旅行関連で消費される金額が1兆円、海外旅行がその1割の1000億円、今年の海外旅行需要減が15%という、ここで紹介されている数字をそのまま使うと、今年の海外旅行需要の減少は150億円、例年の国内旅行消費金額は9000億円という事になる。
仮に海外旅行で減った消費が国内旅行に全て振替えられたとしても、国内旅行消費金額は9150億円で、例年の1.8%増しにしかならない。
この程度であれば、「前年比ほとんど変わらない」の範疇に入ってしまうのではないでしょうか。

ここで挙げられている数字のソースはおそらくJTBのリリース[PDF]ではないかと思いますが、このPDFの最後8ページに、過去のデータが載っています。
これによると、過去の、たとえば1997年と2003年は、今年と同様、5月1日が木曜日となる年ですが、国内旅行総費用は前年比で4.8%減(1997年)、4%減(2003年)となっていて、日並びが悪い事によるインパクトは4~5%あるのではないかと推測されます。

今年の0.1%増というのは、実績値ではなくて推定値なので、ここに「期待による差異」が入り込んでいる可能性はありますが(旅行業者であるJTBの推計ですし(^^;)、過去の実績値から見て、「海外旅行からの振替え」は「日並びによる減少」を打ち消せるだけのインパクトは無いし、実際、過去の同じ日並びの年でも同様に海外旅行からの振替えがあったであろう事を考えれば、

「日並びが悪いのに、国内旅行の需要が前年比ほとんど変わらないのだから、むしろ需要は旺盛」
という感想は妥当ではないかと思います。

「旅行業者が先入観(期待)によって誤って解釈しているに違いない」という保田氏の先入観によって誤って解釈されているのではないかと・・・(^^;

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コメント

 話はそれるけれど、従来なら1万円かかる旅行が、各種値上げによって、1万2千円になったとします。 そこで、節約して1万1千円で旅行したとします。
  統計上では旅行需要は1割増加ですが、旅行者の気持ちとしては1割減になるのかな。
 ということを考えてしまいました。

投稿: 文庫老 | 2008.05.03 05:35

>文庫老さん
1万円しか払いたくないのであれば、1万円で行ける所に変更する事もできる訳で、それでも1万1千円支払うのであれば、やっぱり1割増なのでわ?(^^;
「割高感」と「需要」は別なのではないかと・・・

投稿: <セルダン> | 2008.05.03 19:03

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