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2008.08.22

池田信夫さんへの返事

池田信夫さんにMYMINICITY氏と書かれてしまった<セルダン>です。
ハンドルわかりにくくてすみません。

gooのIDを取る気がないのでコメント書けないからTBさせて頂きます。
お手数掛けてすみません。

で、本論ですが、まだちょっと誤解があるようなので補足させて頂きます。

もとはB-CASはIDの認証だけのシステムだったところへ、外付でMULTI2をつけたので、IDと別になっているのか。ひどい設計だな。
MULTI2が外付けというのはちょっと違います。
最初から認証とストリームの暗号化は一体として設計されています。

じゃあ、なぜMULTI2がB-CASのIDに依存していないのかというと、それは「放送」だからです。
「通信」であれば、一対一の関係ですから、相手の固有の鍵で暗号化して送れば、その鍵を持つ人しか復号できません。
しかし「放送」である以上、一つの暗号化ストリームを多くの人が復号できる必要があります。
ですから、放送ストリーム(TS)は全員で共通な鍵(Ks)で暗号化される必要があります。

キーが共有できるなら、これをWinnyかなんかで流せば、他のPCボードでも使えるでしょう。
そういう事ができないようにするために、この共通の鍵(Ks)は頻繁に変更されます。
最短1秒という仕様です。
ですから、Winnyのように手元にやってくるまでに時間のかかる共有サービスでKsを共有するというのはできない(意味がない)ようになっています。
(で、これを短時間で返してしまえるようにしたのがFriioのインパクトな訳です)

ではこのKsはどうやって配っているかというと、放送波で一緒に送られてくるECMに入っています。
このECMはワーク鍵(Kw)で暗号化されていて、このKwも共通ですが、B-CASカード内に入っており、このKwをカードから取り出す手段は(一般的には)ありません。
暗号化されたECMをB-CASカードに与えて、B-CASカード内のCPUがKwを使って復号し、復号された情報(Ks)がB-CASカードから返されるという仕組みで、外部にKwを出す必要が無い(逆に言えばB-CASカードが無いと復号できない)ようになっています。

Kwを取り出す方法は(一般的には)ありませんと書きましたが、じゃあ一般的でなければどうなのかというと、そりゃチップを削ってEEPROM部分にプローブ当てて読み出せば中身は読み出せてしまいますが、そこまでやるには結構な設備が必要という事になってしまいます。
実際、B-CASではないですが、ファームの乗ったボードとかのパチモノ作ってる所ではそういう事をやってる所がありますから、技術的に不可能ではありません。
まぁ、仮にそうやって読み出せたとしても、そのデータの羅列の中からKwを探し当てるのは、また手間でしょうが、不可能ではないでしょう。

そうやってKwが漏れた場合の対策として、EMMでKwを更新する仕組みもあるようですが、このKwを更新するのは「まれ」な状況であると想定されているようで、頻繁に変更する事は想定外のようです。
ただ、手間をかけて読み出しても、読み出した事がバレたら変更されてしまうという事が抑止力となって、そういう手間とコストのかかる事が起きにくいようになっている訳です。

どっちにしても、B-CASは終わりですね。
同意・・・ではあるんですが、事は地上デジタルに限りません。
一番のダメージは有償放送してるBSじゃないですかね?
同じ仕組みで課金逃れもできてしまいますから。

今振り返ってみると、地上デジタルという大変多くの視聴者を抱えるモノにB-CASという仕組みを流用しちゃったのが間違いの元だったかもしれません。
有償放送を無料で見るという事であれば、視聴者側でも「罪悪感」を感じますから、ここまで一般的にはなり得なかった(違法CATVチューナー程度の捕えられ方だった)でしょうし、有償のモノをタダで見れるとなれば「損害」が明らかですから刑法的に微妙でも損害賠償は可能です。

だけど、無償放送である地上デジタルをARIBに準拠しない機器で視聴しても「損害」は発生しない(もちろん、そのデータを他に流せば別の問題になりますが)
となれば、視聴者の心理的な障害も減るし、これまでアナログで可能だったダビングのダビングができないなど、デジタルで不便になったと感じる視聴者も増えて「商売として成り立つ」場を与えてしまった。
この辺が失敗の原因かもしれません。

まぁ、今どき64bit鍵の暗号なんて弱い部類(WEPの64bitは実質40bitだから別モノとしても)なので、Kwを力技で解くのも時間の問題という気もしますが、BSだけに使ってたのなら、あと10年ぐらいは騙し騙し使えたカモしれません。
BSデジタルが始まった2000年頃の技術水準では妥当だったかもしれませんが、地上デジタルの始まった2003年や、完全移行の2011年の水準で考えれば、とても妥当とは言えないんじゃないかと・・・

そもそも、地上デジタルにB-CAS使うという事になった経緯ってどうなんですかね?
以前、地方の地上デジタル実験協議会に参加してたんですが、その頃には暗号化って話は無くて、実際、実験で使われてる機器も、放送波も暗号化はされていませんでした。
実験協議会解散のちょっと前ぐらいに、いきなり「暗号化するぞ」ってな話が中央から(^^;もたらされて来たって感じで、詳しい事は良くわかりません。
まぁ、放送開始も近いのにいきなりアクセス制限しろって上から(放送局のエラい人なのか権利者なのか・・・)言われて、「今頃いきなり言われても新しいモノや仕組みを作ってる時間もないし、とりあえずB-CASというアリモノがあるからコレ使っちゃえ」ってな感じなんじゃないかなぁ?と勝手に妄想(^^;してますが。

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