「手形を渡したら喜ばれた。なぜ?」
いゃ、ソレ無いから・・・(^^;
本当にそういう理由なんだったら、
(5) 鉄工所のオヤジがアホだから
ですよ。
一番良いのは現金(銀行振り込み)でしょ。ふつ~
大手企業との取引実績がある事を銀行に知らせたいだけであれば、その銀行の口座に振り込みしてもらうようにして、税金の納付とか資材等の仕入れ先への支払いとか何かがある時に、銀行の外渉さんにさりげに(^^;「○○日に××から振込あるはずだから、入ったの確認して▲▲へ振込しといて」と頼んでおけば済みます。
自分の所が手形決済なんだったら、「当座に移し替えておいて」でも良いでしょう。
要は、その会社から振込があったという事を銀行員に見てもらえれば、それで済みます。
この著者は信越化学工業という大企業にいらっしゃったようですが、大企業の手形なら喜んで受け取るだろうと勝手に自画自賛してるだけで、手形を喜んで受け取るバカはいないです。マジで。
もちろん、大手企業からたとえ手形であっても仕事がもらえるというのは嬉しいかもしれないけど、手形だから喜んでる訳じゃない。
実際にこういう会話があったのであれば、それは「手形取引拒んで取引してもらえないぐらいなら、喜んで受け取っているように見せよう」「手形が避けられないのであれば、わずかでもメリットを見出して自分を慰めよう」と思ってるだけでしょう。
ちなみに、ウチの会社も手形で受ける事ありますが、ウチ的には・・・嬉しいです(^^;
え?上で書いてる事と違うじゃないかって?オレってアホ?(^^;
実は、ウチの場合「手形支払いなら30日あたり1%上乗せ」ルールで手形受け取ってるから。
これははっきりお客さんにも言ってます。
割引は短プラ程度の1.725%(30日になおすと約0.14%)で割ってもらってるので、手形だと割引しても儲かるという(^^;
30日あたり1%という事は、年率に直すと12%なんですが、これだけ乗っけても手形で払いたがるのはたいてい大手企業ですね。
小さい所だと「そんだけ払うぐらいなら現金でいいや」って所がほとんど。
というか、こういう条件でも手形で払いたいって言う小さい所は、相当アブナイ(^^;可能性があるので、銀行筋の情報とかで裏が取れない限りは、なるべく少額に抑えたり、さりげに取引しない方向に持ってったりしてます。
相手のリスク程度を見るにも結構有効な手段なんじゃないかと思います。
信用調査会社とかもありますが、そういう所の中小企業の情報って、事故が実際に起きない限りは最長1年前の信用状況ですから、急激に状況が悪くなってるような場合はなかなかわかりませんし。
まぁ、表立って上乗せってのはやらない、ってかできない所が多いでしょうが、そうい所でも手形支払の相手なら単価上乗せとかしてますよ。多分。
あと、手形とは関係ありませんが、大企業だと購買部門が別になってて、担当部門と話が付いた後で購買部門がしゃしゃり出て来て値引きを迫るなんて事が結構ありますね。
そういう所相手の場合は、最初から見積額に1割ぐらい載せておいて、購買相手に5%ぐらい引くという事をしてたり。
残りの5%は、面倒くさい作業をさせられた手数料です(^^;
大手企業の担当者の中には「ウチ購買が値切るから、見積にいくらか乗っけといた方がいいよ」と親切に教えてくれる場合もあります。
「大企業の手形なので喜んで受け取ってもらえた」という自尊心や、購買が値引きして良い仕事をしたという自尊心の対価は決して安くないですよ。
そんな自社社員を喜ばせるためのコストを省いて「取引先には現金で払う」「担当が取り決めた価格はそのまま払う」という、小企業なら当然している事を大企業もすれば、かなりのコストダウンになるんじゃないですかね?
営業、設計、製造といった利益を産む部門であればモチベーションアップという面もあるでしょうが、購買、経理といった間接部門を喜ばせるのにカネを使うのはあんまり意味ないですね。
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