「やはり日本はバランスが……新型インフルエンザにみる危機管理」
最近はかなり落ち着いてきた(?)新型インフルエンザネタ
まぁ、今になって見れば「やり過ぎだったね」って話なんだけど、「新型」「(当初メキシコ等から伝えられる情報では)感染力が強い」「(当初メキシコ等から伝えられる情報では)死亡率が高い」という状況が進行している中では過剰なぐらいに反応しておいた方が良かったんじゃないですかね?
もし本当に当初伝えられた通り、感染力が強くて死亡率も高いモノだったとしたら、今頃「ドイツは対応が遅かった。日本を見習うべきだった」という記事が出ている事でしょう(^^;
マスコミの報道がやり過ぎというか感染対策には役立たない単なるお祭り騒ぎだったという面は否めませんが。
それに、隣国と地続きで、国境線も長く、人の行き来が自由なEU圏内の国と、外国と行き来するには飛行機か船を使うしかない島国では対策が違ってもあたりまえでしょう。
ドイツでは飛行場でいくら検疫しても、隣国から歩いてでも人が入って来られるんだから、そりゃ空港検疫なんてやるだけ無駄(^^;って話になるでしょうし。
それに、みんなでマスクしたり海外への出張を中止してたのも、無駄だったのかと言えばそうも言えないのではないでしょうか。
たとえば、感染症情報センターにあるWHO発表資料によると、日本はここ数日では一日数人程度ですが、米国やメキシコでは未だに一日数百人単位、カナダでも数十人単位で感染者が増えています。
感染者の累計数では世界第4位にも関わらず、日本では抑え込みがうまく行っているのがわかります。
まぁ、未だに帰国者の中から新たに見つかったりして0にはなってませんが、何も対策していなければ米国並み・・・とまでは行かなくともカナダ程度には増えていた可能性は高いと思います。
感染者のあまりいない国への出張まで中止すべきだったのかというのは難しい問題で、確かに出張先の国で感染する可能性は低いですが、出入国で利用する飛行場等では感染者の多い国からの帰国者や入国者と接触する可能性も高い訳で・・・
後になればどうとでも言えますが、現在進行形で先のリスクが読み切れない場合は、リスクは多めに見積もっておいた方が安全という「バランス感覚」が日本人にはあるように思いますし、決してそれは間違いではないと思います。
日本の対応について一番気になるのは利益・不利益のバランスのとり方だ。万全の対策を敷けば感染拡大を最小に抑えられるが、行き過ぎると社会的な利益よりも経済的な損失が上回りかねない。
無駄にやりすぎるのは、日本人の習い性(^^;なので仕方ありません。
でも、その「無駄な努力」と見えるもののおかげで、日本がこれまでになって来たのもまた事実です。
単に利益・不利益のバランスを取るだけであれば、先行する商品の真似して大きく見劣りしない程度に安く作って売るのが、短期的には利益最大です。
だけど日本はそこでは留まらなかった。
最初は確かに真似から始まったかもしれないけど、真似た商品を上回り「30年ぐらいは追い付けないな」と思わせる(^^;ぐらいに磨き上げた結果が、今のMade in Japanブランドな訳で、多くの日本人は、短期的に見れば無駄でも長期的に見ればやりすぎてもとことんやれば元が取れると考えているのではないでしょうか。
まぁ、リスク管理と物作りでは話が違う所もありますが、「やり足らないよりはやり過ぎた方がマシ」というのは、日本人に受け入れられやすい考え方だと思います。
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